東京都知事杯49回東京都学童軟式野球大会フィールドフォース・トーナメントは7月5日、八王子市の滝ガ原運動場野球場で3回戦と準々決勝の全12試合をダブルヘッダーで行った。4強に勝ち上がったのは前年王者の不動パイレーツ(目黒)、全日本学童都大会Vの船橋フェニックス(世田谷)、用賀ベアーズ(同)、高輪クラブ(港)。準決勝は12日、同野球場で行われる。
(本文&写真=鈴木秀樹)
※記録は編集部。公式記録は東京都軟式野球連盟のホームページでご確認ください
――3回戦&準々決勝――
7月5日◇八王子市滝ガ原運動場野球場
▽3回戦
(東村山)レッドシャークス〇5対2●勝どきドリームナイン(中央)
(目黒)不動パイレーツ〇10対3●いずみスワローズ(三鷹)
(世田谷)船橋フェニックス〇9対2●北原少年野球クラブ(練馬)
(あきる野)増戸少年野球クラブ〇5対1●ジュニアナインズ(江戸川)
(世田谷)用賀ベアーズ〇7対5●レッドファイヤーズ(足立)
(瑞穂)瑞穂石畑REDS〇6対3●東陽フェニックス(江東)
(調布)調布ファイターズ〇7対3●小山ドラゴンズ(東久留米)
(港)高輪クラブ〇12対2●千駄ヶ谷イーグルス(渋谷)
▽準々決勝
不動パイレーツ〇8対0●レッドシャークス
船橋フェニックス〇11対1●増戸少年野球クラブ
用賀ベアーズ〇13対6●瑞穂石畑REDS
高輪クラブ〇5対1●調布ファイターズ
実績上位4チームが準決勝へ

前年大会王者の不動パイレーツ(=㊤写真)は、3回戦でいずみスワローズの120km右腕・鈴木裕一に手こずりながらも、しっかりと得点を重ねて勝利を収めると、続く準々決勝ではレッドシャークスに快勝し4強へ。都ベスト8に終わった全日本学童予選の悔しさを乗り越え、大会連覇に一歩、近づいた。

その全日本学童東京予選で優勝した船橋フェニックス(=㊤写真)は、外野陣の守備位置を極端に下げて守る北原少年野球クラブの好守備も目を引いた3回戦をものにすると、増戸少年野球クラブとの準々決勝も快勝し、万全の内容で準決勝にコマを進めた。
この世代の4年生都大会(マクドナルド・ジュニアトーナメント)王者の用賀ベアーズ(=タイトル写真)は、3回戦で全日本学童の都3回戦と同一カードとなる、昨秋の新人戦王者・レッドファイヤーズと大接戦。3対3のまま、時間制限で最終回となった5回に4点を勝ち越したものの、その裏に2点差まで追い詰められ、なおも一打同点のピンチ。これをしのいで勝利を収めると、準々決勝でも瑞穂石畑REDSに一時は逆転を許しながら、終盤の猛攻で再逆転勝ちを収めた。

4年生大会で用賀に次ぐ準優勝を果たした高輪クラブ(=㊤写真)は、3回戦で千駄ヶ谷イーグルスに快勝すると、調布ファイターズにも勝利し準決勝進出を果たした。
4強に名乗りを上げたのは、いずれも実績上位のチーム。船橋以外は全日本学童東京大会で、用賀が全国まであと一歩の3位、不動はベスト8止まり、高輪は地区予選敗退と、いずれも悔しい思いをしており、その雪辱もかかる。
船橋が都大会二冠を達成するか、あるいは3チームのいずれかがリベンジを果たすか──。
3チームが初の都ベスト8!!
準々決勝4試合の対戦カードは、くしくも、いずれも「23区内チーム」対「多摩地区チーム」の構図となった。
全試合で23区のチームが勝利を収めたが、多摩地区の4チームのうち、第37回大会(2014年)で準優勝経験もある調布ファイターズ(=㊦写真)以外は、いずれも都大会で初のベスト8入りを果たした。


増戸少年野球クラブ(=㊤写真)は、旧秋川市と五日市町が合併し、あきる野市となった1995年にチームが誕生し、今年が31年目。自治会単位で活動するチームが多いという同市のチームの例にもれず、現在も選手のほとんどは増戸小学校に通う児童だ。
3回戦では江戸川の強豪・ジュニアナインズを下し見事、チーム初の都大会ベスト8入り。続く準々決勝では船橋フェニックスに敗れたものの、チームの歴史に新たな1ページを刻んだ。
「今年はベンチが元気なんです。みんなが声を出して、一丸で戦えました。ベンチでも相手投手のクセなんかを教え合ったりして、『こんなこともできるようになったんだなあ』と感慨深かったですね」と加藤仁志監督がにこやかに話す。冨田小海主将は「準々決勝では、ベンチが静かになってしまいました」と反省。加えて、「船橋フェニックスはバッティングがすごい。想像以上でした」と驚きを隠さず、「実際に対戦できてよかったです」とうなずいた。

レッドシャークス(=㊤写真)は3回戦で勝どきドリームナインに勝利し、9年ぶり出場の都大会で初の8強入りを果たした。「実はこれまで、都大会では1勝もしたことがなかったんです」と語る大江寿志監督の表情はすがすがしい。
「この1カ月で4試合。素晴らしい経験でした。普段の練習でも、練習試合でも、どうしても言葉だけでは伝わらないことがあります。大会で戦う中で得られるものは、すごく大きいんです。ここまで、全員が自分の役割を全うして、キャプテンを中心にチーム一丸で戦うことができた。選手たちは随分、成長したと思います」
好投も光った荻野尊主将は「負けたのは悔しいけど、ベスト8まで来れたのはうれしい。(準々決勝で戦った)不動パイレーツは去年の優勝チームだし、対戦したかったチームなんです。実際に戦うと、やっぱり強かった…。良い経験になりました!」と、にこやかに話した。

瑞穂石畑REDSはかつて瑞穂中、羽村三中などで指揮を執り、都大会優勝経験もある中学軟式の名将・奥山誠監督が「子どもをしかりつけるような指導が嫌で」と、2022年に自ら立ち上げた学童チーム。活動5年目を迎え、「いまでは地元の瑞穂町だけではなく、近隣の羽村市や青梅市、武蔵村山市などから通ってくれる選手もいます」と奥山監督。
中体連時代と同様、「打ち勝つ野球」を目指すが、それよりも優先するのは「6年生全員が出場すること」。この日も全員出場で、3回戦では古豪・東陽フェニックスに勝利。用賀ベアーズと対戦した準々決勝も、0対4で迎えた5回表に5年生の森奏多、一番打者の田南風聖がともに本塁打を放つなど6点を奪い、一時は逆転し、ベンチのムードは最高潮に(=㊤写真)。その裏に再逆転され、制限時間を迎えての敗戦となったが、応援席からは大きなねぎらいの声が飛んだ。
「良い試合でした。みんな頑張りましたよ」と振り返る奥山監督は笑顔。互いに前向きな選手への声掛けで、好勝負を展開した用賀・村上太郎監督と健闘をたたえ合った(=㊦写真)。
扇谷快主将は「都大会でレッズらしく、打ち勝てたのが良かったです。みんな声もよく出ていた。都大会は楽しかったです!」と笑顔で振り返っていた。
